教育システム
当科では、病理医を目指す専門研修医、医学博士号の学位取得を目指す医師、病理の研鑽を積むために一定期間、病理研修・研究を行う方を歓迎いたします。
1.病理医を目指し専門研修を行うパターン (最低でも4年間の病理専門研修が必要)
大学院に入学して、学位取得後に病理専門医を取得する先生が大半ですが、大学院に入学せずに病理専門医を取得することももちろん可能です。
2.医学博士号の学位取得を目指すパターン
これまでに、他科および他大学の多くの大学院生の先生が当科で研究を行い、国内留学という形式で学位を取得されております。これまで来ていただいた大学院の先生の所属は、久留米大学では脳神経外科、耳鼻咽喉科、外科、整形外科など、他大学からは山形大学血液内科、東京医科歯科大学血液内科、九州大学第3内科などの先生にこれまで来ていただいております。
3.病理の研鑽を積むために一定期間、病理研修・研究を行うパターン
病理医志望や学位取得といった“仰々しい”目的でなく、病理・研究の研鑽を積むために来ていただく先生も当教室には多数所属しています。これまでに東京医科歯科大学包括病理学分野、京都大学血液内科、宮崎大学血液内科などから研修に来ていただいており、期間も2~3か月から数年と様々です。
4.初期研修医のローテートで研修するパターン
初期研修のローテートで久留米大学病院病理部を選択することで研修が可能です。
上記のパターンはあくまで一例ですので、上記以外でも興味がある方はご相談ください。
取得可能な資格
1.日本病理学会専門
2.日本臨床細胞学会専門医
3.死体解剖資格
専門分野 Subspecialty
造血器疾患
当科では、リンパ節の病理診断を約4000件/年、骨髄の病理診断を約2500件/年行っており、ご協力いただける施設からの症例を中心とした豊富な検体で研究をおこなっております。
現在、大島教授の指導のもとで以下のテーマに沿って研究を行っています。
・悪性リンパ腫疾患概念の確立のための臨床病理学的研究および分子病理学的網羅的研究
・抗体療法に関連した臨床病理学的研究
・腫瘍細胞の腫瘍化および進展に関する分子病理学的網羅的研究
・がんの腫瘍免疫に関する臨床病理学的研究
当教室では臨床病理学的な研究から基礎的な研究まで幅広く行っているのが特色です。上記の研究以外にも他施設との共同研究も行っています。
神経疾患
当施設は日本神経病理学会から認定された認定教育施設です。久留米大学病院のみならず他施設からの症例も含めた豊富な神経疾患症例を経験できます。剖検症例についてはCPCで詳細な検討を行っています。 稀少症例については日本病理学会、日本神経病理学会、日本神経病理学会九州地方会などで発表しています。当施設では多くの脳腫瘍症例(年間外科病理平均件数:250例)が経験できます。また、脳神経外科、神経内科、小児科などの臨床科とも学内神経懇話会などを通して積極的な意見交換を行っています。
現在、杉田教授の指導のもとで以下のテーマについて研究を行っています。
・中枢神経系腫瘍における免疫回避機構の解明
・神経膠腫の臨床病理および実験病理学的研究
・神経膠腫に対するペプチドワクチン治療に関連した臨床病理学的研究
・脳血管障害の病理学的研究
・本学小児科とのRett症候群に関する共同研究
臨床科(脳神経外科、神経内科、整形外科、小児科など)からの研究生や大学院生も受け入れています。